自民党の総裁選挙が注目を浴びている。立候補者がこれまでにないほど乱立することになるのか、それとも先を見越してあえて立候補を断念し他の候補者の支持にまわることで恩を売り次を狙おうとするのか。このあたりの各候補者の戦略は見ものだ。
できるなら大風呂敷を広げるような人物が出てきてほしい。
今の日本を変えるには選挙制度と税制ではないかと思っている。
まず現在の選挙では、少子高齢化によって必然的に高齢者有利な選挙となってしまっている。そもそも民主主義において選挙権が一人一票であることは本当に公平なのだろうか。高齢者より若者のほうが生きる時間は長く、若者の方が政策による影響は当然長くなる。であるなら若者の選挙権を複数個持たせ、年齢を重ねるほど選挙権を減らすようにしたらどうか。そうすれば若者の意思が政治により反映され、長期的な視野による政策が採用されやすくなる。少子化対策としてもまずはこれくらいのことをすべきではないのか。
また、現在の税制は複雑すぎる。税法の条文を一度読んでみればいい。あまりにも長くて複雑な文章になっていて、一度読んだだけで理解することすら難しい。
税制はシンプルであってほしい。そして義務教育で税金のしくみについて学ばせるべきだ。大人でも所得税のしくみについて説明できる人がどれくらいるだろうか。複雑すぎるから教えられないし、専門家のものとなってしまっている。税制がシンプルであれば徴税コストも下がり税務署職員も税理士も大幅に減らせる。そもそも申告書の作成なんて生産性のない作業だ。私自身が経理の仕事をしていたのでつくづくそう思う。
そして税制は公正で中立であってほしい。税金というのは所得や資産の過多によらず公平に課せられるべきだと思う。例えば所得税は一律に所得の10%とかにするのだ。こうすると当然ながら低所得者にとって負担が大きくなり格差が助長されることになるので、徴収した税金は税制以外の制度や政策によって低所得者へ再分配すればいい。だから税制自体は高所得者にとっても低所得者にとっても中立だし、格差を是正するのは別に税制である必要はない。徴収した税金をどう再分配するかを決めるのがまさに政治だし、低所得者であっても納めた税金がどう再分配されるのかについて関心を持つようになれば政治への参加意識にもつながるのではないか。
これらは極論ともいえるだろう。
でもそれくらいのことを言い出す政治家が出てきてもいいはずだ。
期待したいけどおそらくはそうならないだろう。
野党をみても相変わらずの体たらくで溜息が出てしまう。