株価が暴落したなら大チャンス到来と捉える。自ら進んで落ちるナイフを掴みに行こうとする。多数派より少数派にいるほうが儲けるチャンスが多いし、儲けも大きくなりやすい。もちろん可能性が大きいと思えるだけで必ずそうなるわけではないけど、それでこれまでうまくやってきた。
でも政治の世界では逆張り思考というのはないようだ。できるだけ票を集めなければならないのだから万人受けすることを言わないといけない。だから「現金給付します」「減税します」と耳障りのいい言葉ばかりが垂れ流されることになる。そればっかりだから聞いている方は胸やけしそうな気分だ。
そして結局はこれらの言葉は高齢者向けといってもいい。年を取るほど「分配」に関心が向くらしく、高齢化社会であることを反映して各政党はその要求にこたえようとしているわけだ。その結果、高齢者の投票率は高く、若者の投票率は低くなり、ますます政治は高齢者向けへと偏重していく。
でもここであえて逆張り思考ならどうなるだろう。
「高齢者への優遇を減らし、若者・子供たちの未来へ重点を移します」と言う候補者が現れたらどうなるか。反発一辺倒となるだろうか。
「高齢者を優遇するために若者・子供たちの未来を犠牲にしていいのか」と真剣に問いかけたら、高齢者たちはどう思うだろうか。未来を担う子や孫のために高齢者はもっと負担してくれ、と訴えたら結構インパクトがあるのではなかろうか。
むろん、高齢者には苦しい生活の人も多くいる。だが一方で多くの資産を抱えている高齢者も少なからずいる。高齢者とて子供たちの将来のために多くの税金を使うことに真っ向から否定することはできないだろう。むしろ子や孫たちの将来が大丈夫か不安に思っている高齢者がかなりいるのではないか。
でもそういった政党も候補者も現れない。どの政党も似たり寄ったりの一時しのぎの政策でしかない。将来にわたって持続的に効果があり成長につながるものがなく、積み上がるのは国債残高だけだ。おそらく衰退に向かってこのまま行き着くところまで行くことになる。
でもそういう状況は逆張り思考からすればチャンスであることも確かだ。
衰退する日本でも成長する企業は必ず存在する。そういう企業を常に探していきたいし、そういう企業がたくさん現れることを期待したい。