株式市場は相変わらず不安定だ。そしてそれが長引いている。
その要因として2つが考えられる。
一つはデフレ傾向からインフレ傾向への変化。もう一つは平和による安定した世界から戦争による不安定な世界への変化。
この2つの大きな潮流が世の中をかき乱し、それがどのように収束して新たな秩序に至るか見通せないでいる。
だが、これらはいつかは起きるものだったともいえる。
デフレがいつまでも続くわけでもない。いずれはインフレの時代がやってくる。これだけ大規模な金融緩和をしてきたのだからマネーの価値が減るのは当然と言えば当然のことで、ようやく表面化し始めたともいえる。
平和も続くことも幻想であった。世界のあちこちで争乱はなくならないとしても、第2次世界大戦のような大規模な戦争になる可能性はほぼないと勝手に思い込んでいた。だがロシアがウクライナに武力侵攻したことで、覆い隠されていた様々な利害対立が表面化して世界中で大規模な争乱になりうる懸念が出てきてしまった。
この2つの変化は資産運用の前提条件の変化でもある。
インフレによる購買力低下を考慮しなければならないし、万が一の有事のとき資産の保全をどうするかも考えておかないといけないかもしれない。
国も企業も個人も互いに世界中で経済的に結びついているが、その結びつきもどう変化するかまだわからない。
未来はわからないものではあるが、前提条件が変化したことで一層未来がわからなくなっている。その不安心理が世界を覆っているような気がしてならない。
だけど混沌とした状況は大きなチャンスでもあるのだ。
世の中は常に変化する。その変化を敏感に捉えるしたたかな投資家でありたい。