一般的に金利が上がると株価が下がると言われる。これは、金利が上がると相対的に債券などの利回りが魅力を増すため、株式が売られるという理屈らしい。
さらに、PERの逆数である株式益回りと金利の差を比べると、PERが相対的に高いグロース株の魅力が低下し、株価が下落するという。確かに今年はグロース株の下落が目立っている。
だが、こうした株価下落が本当に妥当なのだろうか。
金利の上昇によって反射的に株価が下がっていくのには違和感がある。
例えば、有利子負債がない企業では金利上昇したところでたいした影響はないはずだ。借金がない企業は、借金せずとも十分稼げる事業をしている。十分に稼げるからこそ借入する必要がない。借入を活用しないといけない企業とは異なるはずなのに株価は一斉に売られてしまう。
とするなら、現状のグロース株のうち、キャッシュを稼ぐ実力がある企業は売り込まれすぎて相対的に割安になっているのではなかろうか。
金利上昇によって債券などの利回りが魅力を増すといっても、その一方でインフレも加速しているので利回り上昇分はインフレで相殺されてしまい、結局のところそれほど魅力的ではない。長い目で見れば債券より株式のほうがパフォーマンスがいいのはインフレにある程度対抗できるからだ。
今日の株価も大きく値下がりした。実力のあるなしに関係なく株式市場全体が沈むのは、実力のある成長企業に投資するチャンスになる。
ちょうど決算発表シーズンでもあるため、悲観する相場に落ち込まずにじっくり吟味したいところだ。