4月というのは新しい生活の始まる月でもある。新しい職場、新しい学校という環境の変化があるのと同時に「一人暮らし」を始める人もいるだろう。
「一人暮らし」というのは是非とも経験しておくべきだと思っている。なぜなら自立して生活できるかのバロメーターとなるからだ。
不動産屋で部屋を探し、引っ越しの手配をし、必要な家具をそろえる。電気・ガス・水道の契約をする。毎月の収入の範囲内で家賃を払い、生活費をやりくりする。
こうした生きていくために必要なことを自分でできるということは最低限必要なことだ。
就職してからも実家から通うとするならば、家賃負担がなく資産形成には有利かもしれない。だが、家賃を払いながらお金のやりくりをするという経験は思った以上に大きいものだ。そして実家にいるということは居心地の良さに慣れ切ってしまうということでもある。自分で動いて何かをするということが少なくなる。実家の親が世を去った後、自立して生活できるか心許ない。
また、一人暮らしをしてお金のやりくりができなければ借金に頼るようになる。借金がすべて悪いわけではない。だが生活費を埋め合わせるための借金は破綻へつながることになる。そういう借金をせずに生活できる力を身につけないといけない。
ただ私のころに比べて今は一人暮らしも厳しくなっているのだろう。いつまでたっても余裕ができないから結婚にも前向きになれない。一人暮らしもできず実家に戻る人もいるにちがいない。でもそれも単に時間稼ぎをしているにすぎない。いずれ自分で生活する力が必要となる。
結局、自立した生活力が不可欠で、それがなければいくら投資をしたところでうまくはいかないのだ。