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【読書記録】「裏道を行け ディストピア世界をHACKする」橘玲 著

橘玲氏の新著「裏道を行け ディストピア世界をHACKする」が発売されたので早速読んでみた。

 

この本は、前著の「無理ゲー社会」で述べた生きづらい世の中をどう生きるかがテーマとなっている。そこで象徴的なのが「ハック」という言葉だ。

 

ハックというのはもともと「凝ったいたずら」を表す言葉だったらしい。それがコンピュータの不正侵入する者をハッカーと呼んだり、逆にシステムの改善に最も貢献した者がハッカーと呼ばれるようにもなった。

ここに良くも悪くも共通点があるという。どちらも常識やルールを無視しているということだ。

 

もちろん現実の世の中では法という最低限のルールは守らなければならない。だが常識や規範など暗黙のルールに闇雲に従っているだけでは転落してしまうのだ。

そんな世界を生きていくにあたって「ミニマリズム」と「FIRE」に着目しているのは興味深い。

 

あとがきで述べているが、橘玲氏の過去の著書「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」が若い世代のSNSで話題となっていて、これを「ハック本」と捉えているらしいという。

このことから著者は、

 

”「ハックの大衆化」とでもいうべき大きなトレンドが起きていることに気づいた。いまやコンピュータ・ネットワークだけでなく、あらゆるものがハッキングの対象になった。なぜなら知識社会が高度化し、正攻法の人生設計が通用しなくなって、「別の道」を探すしかなくなったから。”

 

と述べている。

だが著者はハックを勧めているわけではない。そこは一部の者が成功し、大多数は失敗するロングテールの世界だからだ。

 

それでも常識に縛られていたら人生を攻略できない。

 

作家の森博嗣の言葉を思い出した。

 

”非合理な常識よりも、非常識な合理を採る。それが自由への道である。”

 

ハックするまでにはならないかもしれないけれど、合理的に考え行動すること。

これに尽きるのではないかと思う。