お笑い芸人の税金申告漏れが世間を騒がせている。
納税手続きというのは面倒なものだ。申告書を作成するにも事前に資料を整理したりする必要があり結構時間がかかる。おまけに税法は複雑で、通常は税理士など専門家の力が必要になり、申告納税にもコストがかかる。
こうした面倒くささがあるため、日頃何かとルーズな人は申告期限や納付期限を守れないことがある。
私がかつて勤務した税理士事務所でも手のかかる顧客はいた。それでもなんとか期限内には間に合っていたし、ルーズといってもかわいいものだった。
今回のこのお笑い芸人が申告漏れしていたことについて同業の芸能人がいろんなコメントを述べているが、そのコメントは批判的なものばかりだ。
不祥事を起こして批判されるのは当然だとしても、「反省したうえでまた戻ってきてほしい」といったような比較的寛容ともいえるコメントがほとんど見当たらないことに驚く。闇営業問題のケースとは全く違う。
このお笑い芸人が実際どういう人物なのかは知らないが、こういう周りのコメントから察するに、もともとだらしない人間で周りの人たちも少なからず迷惑を被っていたのではないだろうか。時間を守らない、期限も守らない、約束を守らない、というのであれば付き合いたくはなくなる。
やるべきことをせず、守るべきルールも守れないのでは通常なら生活もままならない。だがそうやってここまで生きてきたのだろう。逆に言えば、ルーズだからこそ芸能界にしかいられなかったのだ。そこでたまたま人気が出たが、その人気もイメージだけだったのかもしれない。
ルーズであることは信用を失う。信用がなければ、困難な状況になったとき手を差し伸べてくれる人はいなくなる。ルーズであることになんのメリットもない。