投資狂日記

自由を追求するブログ

予想PER180倍

PER(株価収益率)は株価の割安・割高を判断するために用いられる指標だ。株価を1株当たり利益(EPS)で割って算出するのだが、1株当たり利益は来期の予想数値を使うのが普通だ。

来期の予想数値だから、それを利用して算出されるPERも予想数値となる。通常は、来期予想といっても大きく外れることはないと考えられているためそのことについてあまり気にしない。

だが、来期予想が困難な場合はどうなるのか。

 

今、持株であるロゼッタが急騰している。そのため予想PERはとうとう180倍を超えた。PERが約180倍ということは、来期の1株当たり利益水準で投資資金を回収するのに約180年かかるということだ。普通に考えて割高だ。しかも”超”がつくほど割高だといっていい。

 

だが、ここで立ち止まってよく考えてみる。この約180倍というのはどこから出ているのか。株価はすぐわかるから、株価をPERで割れば予想1株当たり利益が出る。

計算してみると27.20円となるのだが、実はこれは日経の予想であるらしい。つまり約180倍というのは日経の予想をもとにしていることになる。

となると日経の予想というのはどうなのかが問題となる。東洋経済の四季報を見てみると、2020年2月期の予想1株当たり利益は28.3円で日経予想よりも多い。この数値を使ったとすれば予想PERは約175倍ぐらいまで下がる。それでもPERは高いことにはかわりないが。

 

そもそもロゼッタは来期の予想を出しておらず、過去最高の水準以上の見込みとしかいっていない。会社自体が予想するのですら困難なのだから、日経だろうと東洋経済だろうと出した数値に明確な根拠があるわけではない。

さて、ロゼッタ株は割高なのだろうか。

決算発表前でもPERは100倍を超えていたので、通常の水準からすればかなり割高であり、決算発表後はさらに上昇したのだから異常値ともいえる水準かもしれない。

だが正直なところわからない。来期のみならずそれ以降についても考慮すればなおさらわからなくなる。

会社の決算説明資料で「MT事業の売上成長率が落ち着く(目安として対前年比150%)までは、業績予想は固定値としては開示しない」としている。MT事業の受注推移からすれば、当面は売上増加が続く。ただ、それに対応して人件費や販促費も増大するであろうから利益が売上ほど伸びるかはわからない。

だから四半期決算ごとに注意深く推移をみていくほかない。その内容によって株価が急落する場面があるかもしれない。いや、おそらくあるだろう。株式投資は一筋縄ではいかぬものだ。