投資狂日記

自由を追求するブログ

PERが表すもの

株価の割高割安を測るモノサシとしてPER(株価収益率)がよく使われる。一般にはPERの数値が大きいほど割高で、小さいほど割安だとされる。だがこうした単純な見方で株価水準を測ることはできない。

 

PERは株価を1株当たり利益で割って算出されるが、これを変形すると

株価=PER×1株当たり利益

となる。株価は1株当たり利益の増減とPERの増減で変化するが、PERとは要するに投資家の期待度なのだ。投資家の期待が膨らめば株価が上昇し、期待が少なければ株価は低くなる。そしてここで考えるべきなのは、”その期待がどれくらい現実になるか”についてなのだ。

PERが低いというのは投資家から期待されていないからだ。実際PERの低い企業は業績が悪かったり成長性が低いと思われている。そうしたあまり期待されていない企業群のなかに、実は実力を秘めている企業がたまたま紛れ込んでいることがある。これがバリュー株といわれるものであって、PERが低いからバリュー株であるわけではない。これはPBR(株価純資産倍率)でも同じことだ。PBRが1倍を下回っているからといって割安だというわけではないのだ。

逆にPERが高いと割高だとされるが、一概にそうとは言い切れない。高い期待に企業が応えて1株当たり利益を期待に見合うほど増加させていくならば、必ずしも割高とはいえないのだ。ただ期待外れになれば、当然に株価は割高だったとされ下落することになる。

 

株式投資とは、突き詰めると企業の1株当たり利益がどうなるかを予想することだ。企業が発表する自社の業績予想が注目されるのはこのためであり、そこから投資家の期待が反映されて株価が形成される。

だから株式投資をするにあたっては、1株当たり利益が今後どう増減するのか考え、その増減に対して投資家たちの期待度を考える。

私はこれまで1株当たり利益について考えるほうに傾斜していた。だが、PERが表す期待度についても考慮することで、期待のギャップによる投資機会を見出すこともできるだろう。特に今のコロナ禍で業績予想が開示されていない企業もまだ多く、投資家の期待度が株価に大きく影響していると考えられるからだ。