フジ・メディア・ホールディングスのガバナンスが注目を集めている。アクティビストの提案と会社側の案が対立しそうで、委任状争奪戦(プロキシーファイト)になることも考えられる。
企業のガバナンス問題は業績悪化によって表面化することが多い。
業績悪化は経営陣の責任であるから経営陣を変更すれば立て直せると考える。確かにそれで業績回復した企業もある。
それでも日産自動車のように再び経営難になってしまう企業がある。そういった企業には何かがあるのではないか。
私は企業風土が大きく関わっているのではないかと思っている。経営陣が変わっても企業風土が変わらない限り根本的な変化が起きず、時間の経過とともにその風土に染まっていく。だから一時的には業績回復しても再び元に戻ってしまうわけだ。
企業に限らず人が集まってできる組織には、それ独自の風土が自然と出来上がる。学校のクラス内のグループから国の政府に至るまであらゆる組織ごとに独特の特徴があってそれが風土として定着していく。
組織を率いるリーダーが風土を生み出す源となるかもしれないし、あるいは組織の風土に合うリーダーが選ばれているのかもしれない。
それによって組織が生み出す成果も変わるのではないか。
組織風土の影響がプラスに作用すれば成果が出やすくなり、なおかつ継続する。逆に組織風土がマイナスに作用すると成果が生まれにくくなり、それが悪循環になっていく。
株式投資をする上では、こうした企業の組織風土についても考える必要があるのだろう。
でもどうやって把握すればいいのか。
意外かもしれないが、直観が重要ではないか。
ある企業の情報に接したときに直観的に感じるもの。
例えば、
企業のホームページを見たとき
企業の運営する店舗に行ったとき
その企業のサービスを受けたとき
など、なにかしら接点を持った時に感じた印象がヒントになるのではないか。
というのも、企業風土は外側に滲み出てくるものだと考えられるからだ。
株式投資ではどうしても企業の業績に注目してしまうが、その業績を生み出す企業風土について考えてみることはより深い洞察につながるのではないかと思う。