投資狂日記

自由を追求するブログ

配当について今一度考える

株式投資をしていれば「配当」というのは気になる存在だ。それだけに配当についての捉え方も人それぞれだ。

 

特に高配当株というのは根強い人気がある。だが私は高配当株については懐疑的だ。

配当利回りが高いというのは、株価に比して配当が多いということだ。配当金の額が大きいかあるいは株価が下落すれば配当利回りは高くなる。だがこの配当利回りというのは現在という視点しかない。

配当利回りが高いという状況は、株価が下がったことによるものなのか、それとも増配によるものなのか。株価の下落要因が業績悪化懸念だとしたら、将来的には減配の可能性が高くなり、高い配当利回りは修正されることになる。また、増配にしても稼ぐ利益以上に配当を続けれていればやがて資本を毀損して株価下落を招く。そもそも配当は資本の払い戻しという性格であって、行き過ぎた配当は資本の成長を自ら放棄することだ。

だから高配当だからといってむやみに飛びつくのは危険なのだ。実際、高配当利回り株の中には有名企業が存在するが、その成長性や将来性には疑問符がつく企業が多い。いくら高い配当を手にしたとしても、株価が下落してキャピタルロスをしてしまっては意味がない。

 

では配当はないほうがいいのか。成長企業にとっては配当するよりも事業へ投資したほうが株価が上昇して投資家に報いることになることは確かだ。だが事業への投資はリスクがあり、必ず株価の上昇に結び付くとは限らない。場合によっては資金の壮大な無駄遣いとなるかもしれない。そうした経営陣の暴走を防ぐための手段の一つが配当なのだ。事業に投資するのはいいとしても、しっかり利益を確保してその一部を配当という形で投資家に示させることで一定のガバナンスが機能する。だから無配の企業というのもやはり危険なのだ。

 

やはり配当はその多さで判断するのではなく、推移で判断すべきだろう。利益が順調に伸びていれば配当も伸びていく。利益が伸びていれば株価も上昇していく。結局は着実に成長する企業の株を長期的に保有することが理に適っているのだ。