投資においては「卵を一つの籠に盛るな」といわれるように投資対象を分散することが常識となっている。
だが、こうした常識に真っ向から対立する人もいる。
バフェットやソロスが代表的存在だ。
「バフェットとソロス 勝利の投資学」という本を読んだことがあって、それにはこう書いてあった。
達人:分散投資なんて小鳥さんのやることだと信じている。
負け犬:一つの投資に大きなポジションを取れるほど確信できない。
投資の達人は、本当に大きく儲けたいなら分散させず集中投資すべきと考えているわけだ。そしてそういうポジションを取るにはそれだけ強く確信が持てないといけない。確信を持つには徹底的な調査や洞察が必要となり、手間暇がかかる。
裏を返せば、それほどの確信を持てないなら分散投資しておけということになる。
あと、投資元本のサイズも関係ある。
元本が少ない状態で分散投資したとしても実のところあまり効果がない。そして、分散すればリスクが減るが、その分リターンも抑えられてしまい、資産が増えるスピードが上がらない。急激に資産を増やしていく投資家は、集中投資によって元本を増やしていく。もちろん失敗するリスクもあるが、元本が少額なうちはその失敗もたかが知れているともいえる。だから投資元本が少額なうちは集中投資することもある意味合理的と言えなくはない。
そもそも分散といっても、その分散が十分なのか不足しているのか判断する基準は投資家個人によって異なる。分散投資していると思っていても他人からみれば集中投資しているように見えるかもしれない。逆に集中投資しているようにみえて、実は効果的に分散されているということもありうる。
果たしてこれは分散できていることになるのだろうか。
分散することと分散しているつもりでは天と地ほどの差がある。
「~しているつもり」というのが投資において最も危ないことだ。