先週からREITが急騰している。日銀がマイナス金利を解除したとはいえ、金融緩和が続くことがはっきりして安心感が広がったからだろう。
ダラダラ下げ続けていたREITに目を付けて投資した思惑通りの展開になった。
それにしてもREITがあまり人気がないのはなぜなのだろう。
よく指摘されるREITのデメリットとして以下のようなものがある。
①元本割れのリスクがある
②金利変動のリスクがある
③自然災害の影響を受ける
④投資法人の倒産リスクがある
⑤分配金が減額するリスクがある
⑥自己資金以上の投資ができない
⑦複利効果を得られない
①~⑤は別にREITだけではなく株式についても当てはまるものだし、むしろそういうリスクをとるからこそリターンが得られるわけで、これをデメリットとしてしまうとそもそも投資できなくなってしまう。
⑥は銀行などからローンで借りて投資ができないということだが、それがデメリットといえるほどのことなのだろうか。少ない資金でレバレッジをかけて投資することは必要以上にリスクをとることにもつながり、失敗すれば再起不能にすらなりかねない。どうしてもレバレッジをかけたいのなら信用取引という手段をとればいい。
そして⑦の複利効果だが、たしかにREITは利益のほとんどを分配してしまうため、REIT自身に複利効果がない。でも、投資家自身が分配金を再投資すれば複利効果を得られるわけで、複利効果を自動にするか手動にするかの違いでしかない。
こう考えると、デメリットとしては的外れなことがわかる。
逆にREITのメリットは何か。
最大のメリットは分配金が二重課税されないことだ。
株式の配当金は、法人税が課税された後に残った利益から配当され、さらに受け取った配当金にも所得税・住民税が課税されるため二重に課税される。でもREITは利益のほとんどを分配することを前提として利益に法人税が課税されない。なので投資家が受け取る分配金にのみ課税され、二重課税とならない。このことで株式より高い分配金利回りとなるわけだ。さらにNISA口座を利用すれば、分配金にかかる税金もなくなることになる。REITはNISA口座を利用すれば譲渡益にも課税されないのだからさらに有利だ。
REITは株式市場と違う動きもするのでリスクを分散させる可能性もある。ただ、時に株式よりも大きい値動きをすることがある。コロナ禍のときも株式以上に暴落したが、逆にいえばそれが大チャンスになるわけで、実際にその後上昇している。リーマンショックのときもそうだった。
投資においては、人気が集まるところではなく不人気なところに注目することだ。今回のREITはまさにそれに当てはまる。
逆にいえば、人気が集中しているところには気を付けないといけない。