東京オリンピックで日本人選手の活躍が目立っている。こうしたこともあって開幕以前にはオリンピック開催に懐疑的だった人が、いざ始まると好意的になっていて、いわゆる「手のひら返し」と揶揄されている。
たしかに厚顔無恥な人はいるが、えてして世論とかいうものはそういうものではなかろうか。
コロコロ評価が変わるといえば株式市場も同じだろう。
この先ずっと悲観的な状況が続くというムードを漂わせておきながら、突如楽観的でイケイケになったりする。
人間は感情の動物で、その感情は日々揺れ動くものだ。
株式市場も感情によって揺れ動くものだと思っている。
だからこそ、この先に世の中の感情がどう動くか考えるのだ。
このままいけば東京オリンピックはアスリート達によって感動に包まれるだろう。
だがこの祭りが終わったあとはどうなるだろうか。
コロナの感染拡大が懸念されている。だが高齢者へのワクチン接種が進んでいることもあって重症者は限られてくるはずだから、いたずらに騒ぎ立てる風潮には気を付けたい。
オリンピックの経済効果はさほど期待できないだろう。ほぼ無観客なのだから運営費を賄う財源が重くのしかかるだろう。結局は税金として跳ね返ってくるかもしれない。
そしてオリンピックが終われば衆議院選挙があり、政局が混迷するかもしれない。そうすれば株式市場にも影響が及ぶ。
オリンピックは祭りであり、コロナで息苦しい生活を紛らわせるものでもある。
祭りの間に熱狂し歓喜しても、その祭りはあっという間に終わる。
この祭りが終わったとき、熱狂も醒め現実に目が向けられる。
そのとき、あれほど熱狂していた人々からの手のひら返しが起きるにちがいない。