先週の株式市場は歴史的な下落となった。今週も不安定な状況は続きそうだ。
とはいえ、株式投資をしていれば大きな下落に遭遇するのは当たり前と思っていたほうがいい。今回はたまたま歴史的な下落となっただけだ。
それもこれまでがあまりにも順調にほぼ一本調子で上昇してきたことの反動だともいえる。
株価というのは短期的には常に上下に動いて推移する。それを長期的にならして見れば、三歩進んで二歩下がるようにゆっくりと上昇していくものだ。もちろん、十歩、五十歩と一気に進んでいくこともあるが、そういったことは長続きしない。逆に一気に下がってしまい、結局あまり進んでいなかったというのはよくあることだ。
そして今回のように一気に十歩、百歩と一方的に下がってしまうこともある。
でも、先週も今週も企業は変わらず動いている。株価がどんなに変化しようとも製品を作り、商品を売り、サービスを提供し続けている。それで業績を積み上げ続けている。環境が変化してその業績が悪化する懸念はあるかもしれないが、それでも業績を積み上げ続けていることは確かだ。
株価の下落に恐怖を感じるかもしれないが、それでも通常通り企業は動いているということにもっと着目すればいい。たとえ百歩下がってしまったとしても、着実に一歩を踏み出し続けている。そうした地道に進む一歩の成果が長い間を経て明らかになる。そういう一歩を軽く見てはいけない。そしてなかには一歩の歩幅が広いものがあり、そういう企業が長期的にみれば着実に進んでいく。
今の状況は株式市場でミスターマーケットがこの世の終わりかのごとく大騒ぎしているだけだ。そんなミスターマーケットの相手などせず、これから本格化する決算発表に注目して企業の地道な一歩を確認したい。