株式市場で大きな下落が頻発している。
これだけ下がると恐怖を感じて逃げ出す人が多くなるだろう。それが一層の下落を招くという悪循環になる。
私のポートフォリオ銘柄も含み益が吹っ飛び散々な状態なのだが、こういう時こそ冷静になる必要がある。いたずらに感情に振り回されてはいけない。
果たして今の株価水準というのはどう判断すればいいのだろうか。
株価水準について一般的なのは株価収益率(PER)だ。
PERは株価を1株当たり当期純利益(EPS)で割ったものだが、これを変形すると
株価=PER×EPS
となる。
株価が下がるということは、PERかEPSもしくは両方が低下することだ。あるいはどちらかが上昇しても片方が大きく下がれば株価が下落する。
これまでズルズル株価が下落してきたのは米国の金融引き締めによって株価上昇への期待が減少したことによるPERの低下が大きかったように思える。そして最近ではインフレ対策によって景気が減速してそれが企業収益を悪化させるという懸念が出てきている。それが予想EPSを下振れさせる方向になり、株価はPERとEPS両方の低下というダブルパンチを受けるということになる。
たしかに景気減速懸念はあるが、それによって予想EPSがそれほど崩れるかどうかだ。これは各企業によってまちまちで、個別に吟味しないといけない。
私が株価下落にあまり慌てていないのは保有銘柄の業績動向についてあまり心配していないからだ。もし予想EPSが悪化する懸念があまりないとしたら、あとはPER次第となる。現状のPERの水準はだいぶ下がってきていて割安感はかなり強いと感じている。実際、6月第2週には円安が進んだことにより海外投資家が3週間ぶりに買い越ししている。
PERはある意味感情的なものだから何かのきっかけで変化する可能性がある。現在の経済状況の悪化に拍車をかけたのはロシアのウクライナ侵攻と中国のゼロコロナ政策と考えれば、これらが良い方向へ動く兆しが出てくれば雰囲気は変わる。問題はそれがいつになるかわからないことだ。
いずれにしろ今後の株価は企業の業績がどうなるかにつきる。
今日はちょうど会社四季報の発売日だ。
会社四季報は独自の業績予想を立てているが、その予想が現在の状況によってこの後変化しうるかどうか考えるのだ。
そうすることで経済環境の変化に負けない企業への目利き力を鍛えるいい機会になるだろう。