投資狂日記

自由を追求するブログ

野暮と粋(いき)

プロ野球日本ハムの新本拠地「エスコンフィールド北海道」のファウルゾーンの一部が公認野球規則の規定を満たしていないことが問題となった。結局、2023年シーズンは使用を認めて、後で改修することで決着したという。

 

この騒動から思うのは、なんか野暮だなということだ。とにかくルールは守らなければならないという頑なな態度がどこから来るのだろう。

ルールはそれ単独で存在するのではなく、そのルールを設けた趣旨というものがある。ルールはその趣旨を満たすために定めるものだ。

野球規則では、本塁からバックネットまで60フィート(約18メートル)以上要だという。このルールはそもそも何のためにあるのか。おそらくは観客の安全を考慮して十分な距離をとることにある。それでその距離がだいたい60フィートあれば大丈夫だろうということであって、60フィートないと危険というわけではない。

なのに60フィートという数字が独り歩きして、とにかく60フィートなければいけないということになってしまう。「ルールなんだからとにかく守れ」「他はみんな守っているのだからあなただけ守らないのはおかしい」とクソ真面目になる。ルールに忠実であれさえばよく、行き着くところは思考停止となる。

 

とにかく形式にこだわり、それに逸脱するものを容赦なく糾弾する。野球規則に限らず、こういう事例はいたるところにある。学校の校則もそうだし、コロナ禍における自粛警察やマスク警察もそうだ。ルールを守っていれば問題ないし何より楽なのだ。

 

とかく野暮な世の中になってしまった。

経済が低迷しているからか、「貧すれば鈍する」状態になっているのではなかろうか。ルールにこだわるあまり思考停止していればそうなるのも無理はないかもしれない。

 

江戸時代には「粋」という美意識があった。

今回の件も、もっとスマートに粋な計らいがあればよかったのだが、そういう感覚はなくなってしまったのだろうか。