投資狂日記

自由を追求するブログ

ロゼッタへの投資は振り出しへ

 昨日、ロゼッタの決算発表があり、今日はその内容を受けてストップ安気配で値が付かない状態となっている。昨年の同時期もやはりストップ安となっていたのでもう馴れっこなのだが、決算の中身が全く異なることが気になる。

 

 以下は昨年同時期の記事。

www.crazy-investor.jp

 

これまで順調に自動翻訳事業が伸びてきていたが、コロナ禍の影響もあり成長にブレーキがかかったことが嫌気されているのだろう。だが、その影響も徐々に薄まり回復することが見込めるのでそれほど心配はしていない。

 

問題は、新しい分野への事業についてだ。VRオフィスやVR海外旅行といった事業自体は確かにとても興味深いものだ。これらを実現するため様々な企業との資本業務提携を発表しているし、増資による資金調達も行った。だが、この今のタイミングが妥当なものなのかどうか。少し急ぎすぎて広げすぎているようにも感じる。

 

コロナ禍という状況だからこそ、あえて攻めの姿勢を打ち出したともいえる。それはいい。だが新しい事業についてどれくらい需要があるのか、それがちゃんと利益につながるのかがすごく気になる。単純に物珍しさで終わってしまう可能性はないのか。技術的にはすごくてもニーズがなければ収益に結び付かない。収益になるとしても、それまでには長い期間かかることになるかもしれない。そのあたりを経営陣はどう判断しているのか。

ものすごく伸びる可能性もあるが、一方で思うように収益が上がらず業績がガタガタになり衰退していくおそれもある。今回のストップ安はこうした不安感も反映しているのように思える。

 

増資に関する開示情報を順に追っていくと、第三者割当増資引き受けた投資会社(CVI Investments, Inc.)は新株式と新株予約権を取得したが、1株3,260円で引き受けた325,000株については1株3,520円でメリルリンチ日本証券に譲渡しているから、その譲渡益で新株予約権の引受額(新株予約権1個当たり3,376円×12,188個)を実質的に回収してしまっている。新株予約権の行使価格は3,980円だが、今後株価が上昇せず権利を行使できなくても損失はないし、もし株価が3,980円以上になればぼろ儲けとなる。投資会社としても新規事業に期待する一方で、うまくいかないことも想定しているわけだ。(メリルリンチへの譲渡理由はスワップポジションへの移転とのことだが、いずれにしろメルリンチか誰かが含み損を抱えていることになる。)

 

さて今後、株価は権利行使価格3,980円を超えるまでに上昇するだろうか。超えるとしてもどれくらい先になるのだろうか。あるいはこのままズルズルと低迷していくことになるのだろうか。

今回の決算発表で、ロゼッタへの投資は振り出しに戻ったと考えている。ロゼッタの目指すビジョンは心を熱くするものだが、新しい事業については冷静に見ていかないといけない。業績がついてこなければ事業は継続できず、結局ビジョンを実現することはできないのだから。