カナミックネットワークの2021年9月期決算が発表された。売上は前年比10.6％増、利益は22.6％増で着地し、概ね業績予想通りだった。
それよりも今後が気になる。新株予約権付社債を発行しM&A資金を調達したが、まだM&Aを実施する気配がない。決算短信での次期業績予想は売上高12.9％増、利益10.4％増を見込んでいるが、そこにM&Aによる業績拡大はない。
決算と同時に2022年から2024年までの中期経営計画が発表されたため、そちらも見てみた。これによると、M&Aの時期はまだ定まっていないようだ。結局のところとりあえず資金調達しただけなのかもしれない。まずは2023年9月期導入予定の大手介護業者の受注が決まっているようで、その先行投資を2022年9月期に行うという。2022年9月期の業績予想で第2四半期に減益を想定しているので、上期にその先行投資が行われるのだろう。
M&Aが実施されれば業績が大幅拡大することを見込んでいるようだが、2024年までに実施されないこともありうる。どうもこのあたりがはっきりしないので、業績数値の信憑性があまり感じられない。事業内容は堅実だから業績は悪くなることはあまりないだろうが、M&Aによる成長の加速を期待していただけにちょっとモヤモヤしてしまう。
明日の株式市場でどう反応するだろうか。株価はずっと低調な動きをしてきたが、その流れに変化はあるだろうか。
ちょっと期待外れに終わるかもしれない。成長を期待して保有株数を多めにしていたが、減らして別の銘柄に投資することも検討したい。
