人口減少の傾向が止まらない。
出生数の減少ペースが想定より速く、このままだと2035年には50万人を割るという。
こうしたこともあって、人口減少に歯止めをかけるべく様々な政策を打ち出してきたがたいして効果がない。
そもそも、なぜ人口減少対策が行われる必要があるのか。
それは国のため、経済のためだろう。
人口が減れば国を保つことが難しくなるし、経済も衰退して生活が成り立たなくなると考えられるからだ。
でもそこがなにかおかしいのではないかと感じている。
国のために人口を増やす?
経済のために人口を増やす?
本来、結婚したり子供を持とうとするのはそれが幸せだと感じるからだ。
だが、現状ではそうなっていない。
人口対策のために結婚しろ、子供を産め、となってしまっている。
いくら子育て環境を整えたところで、それが国のため経済のためという人口対策であることが見透かされ、結婚して子供を持ち家族で暮らしていく先に幸せが見えない。国民を国や経済のための歯車だと思わせている限り無理がある。
よくよく考えてみれば、日本は諸外国に比べて住みやすいはずなのだ。訪日する外国人は日本の治安の良さ、街の清潔さ、食事の美味しさ、物価の安さに驚いている。
にもかかわらず、日本人は四苦八苦しているように見える。
余裕がない。何事にも。
コストを減らせ、生産性を上げろ、デジタル化だ、副業だ、リスキリングだ、もっと効率的に、と時間的にも経済的にも精神的にも追い込まれている。
何もかもいっぱいいっぱいで動いていて、その結果消耗している。
余裕がないのはなぜなのだろう。
何もかも求めすぎなのかもしれない。
人口を増やすために四苦八苦するよりも、人口が減っても幸福に暮らすことができるようにしていくほうがいいのではないか。それが結果的に巡り巡って人口を増やすことにつながっていくかもしれないと思ったりする。