投資狂日記

自由を追求するブログ

保有銘柄の点検

新型コロナの影響が続く中、保有株のなかでも回復傾向のものと低迷しているものとで差が出てきた。含み損が膨らんでいる銘柄について、今後も継続保有するか決算資料などをもとに検討する必要がある。

 

今、もっとも含み損が大きいのは芝浦電子だ。

芝浦電子は温度を感知する半導体である「サーミスタ」のメーカー。サーミスタ素子、それをを応用した温度センサ、湿度センサ、湿度計、温度制御器などの製品を製造・販売している。自動車や空調機器、家電など使用される範囲は広い。

 

業績は2019年から下降線を辿っている。だが表面的に見ただけでは不十分だ。その中身を検討しないと判断を誤る。

 

2020年3月期決算説明資料によると、前年からの営業利益の主な減少要因は売上の減少と減価償却費の増大だ。売上の減少は米中貿易摩擦と新型コロナの影響が大きい。2019年度に設備投資を大規模に行っており、キャッシュフロー計算書をみても投資キャッシュフローが大きくマイナスになっている。このため会計上は減価償却費が増え利益を圧迫することになる。売上が減ったところに減価償却費用が重なってしまった。

設備投資は今後の需要増に対応するためのものであり、会社の成長には不可欠なものだ。悪い時期に重なってしまったとすれば、現在が底であるともいえる。会計上は利益が減っているものの、営業キャッシュフローは利益ほど減っていない。

 

会社側の今後の見通しは、新型コロナの影響による需要減少は予断を許さないものの、中長期的には需要は堅調に推移するとみている。利益が減少したものの配当は据え置きであることもこうした見方を反映しているといえる。

 

では需要は回復するのか、そしてそれはいつごろなのか。これが一番難しい。今後の需要で大きいのは中国だ。だが中国は香港など政治情勢が気になる。中国との経済的な結びつきはどの国も無視できないため、極度の悪化はないだろうが短期的には波乱もありうる。アメリカ大統領選挙の結果によっても変わるかもしれない。

 

芝浦電子株は売却に傾きかけていたが、決算資料を読み込んで考察してみると、売却への決定打がない。含み損が膨らんでいるが、今が底である可能性も否定できない。需要が回復すれば業績も回復する。単純だけど結局そういうことだ。

 

こうしてズルズルと保有して傷口広げるパターンになることも多いが、そうでないこともある。手放すにはもったいないと感じさせる不思議な銘柄ではある。

 

なんだかんだ言いつつ、もうしばらく保有してみることにした。