投資狂日記

自由を追求するブログ

賃上げムードと言うけれど・・・

世の中は賃上げムードになっているようだが、本当に実現するのだろうか。確かにファーストリテイリングが大幅な賃上げをすることが話題になったし、賃上げに動いている企業はある。

 

賃上げできるのは良い業績という裏付けがあるからだ。だが、資源高による物価上昇でコストが増えて利益確保にも四苦八苦している企業はたくさんある。

 

経団連の十倉会長は、企業の社会的責務として賃金引上げのモメンタムを維持・強化していくことを呼びかけている。

だが、十倉氏が会長である住友化学は先日、2023年3月期通期業績予想を大幅に下方修正し、1,050億円だった予想利益はゼロになった。さらに期末の配当予想も1株12円から未定となってしまった。

 

経済団体のトップが賃上げを呼び掛けているにもかかわらず、その会長の出身企業は利益確保もままならない状況で賃上げができるのだろうか。賃上げで損失が膨らめば株主は黙っていないだろうし、賃上げしなかったら経済団体トップとしての面子は潰れる。

 

いくらムードがあっても結局のところ、ない袖は振れないのだ。

金融緩和が長く続き、居心地がいい環境に慣れ切ってしまい収益性を高められずズルズルとここまできてしまった企業が多いのではないか。

おそらく賃上げできる企業とそうでない企業ではっきり明暗が分かれてくる。それは長期的にみれば戦略的に優秀な人材を確保できるかどうかにかかわってくる。優秀な人材が確保できなければいずれその企業は衰退していく運命にある。

 

賃上げもそうだけど、掛け声ばかり大きくて、実際は何も進まず行き詰まっていることが多い気がする。金融政策しかり、少子化対策しかり。

この行き詰まり感を払拭するのは容易ではない。