株式市場では最高値更新が続き、強気の楽観ムードが出来上がりつつある。新聞の紙面にも「楽観」の文字が出てきている。
株価が上がれば気分がいいものだが、こういう楽観ムードには警戒しないといけない。
著名投資家ジョン・テンプルトンの有名な言葉を思い出す時だ。
「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく」
今の状況は強気相場が成熟しているところだろう。
いや、もうすでに陶酔に入りつつあるのかもしれない。
株式指標的には異常値といえるような状態ではない。
だが銘柄によっては、過去のPER水準からすれば割高になっているものもちらほら目立ち始める。
バフェットも「株主への手紙」で、米国の株式相場の高騰は「カジノ的」だと警鐘を鳴らしている。
もし近いうちに株式市場で調整が起きれば、新NISAで投資に新規参入した人々は痛手を受けるだろう。そこで懲りて投資から手を引くことになるのか、あるいは投資を継続できるか明確に分かれることになる。
株式投資の平均利回りが約7%ぐらいだとしても、毎年それが約束されているわけではなく、大きなマイナスとなることもある。頭でわかっているつもりでも、実際に経験すると想像以上に痛いものだ。
だけど株式投資ではそれが当たり前なのだ。
その痛みを経験していない投資家などいない。
いずれにしろこの楽観ムードは警戒のサインだと思っていたほうがいい。