今日の日経新聞1面トップの記事は、世界人口がいずれ減少するというものだった。
日本では少子高齢化による人口減少が問題となって久しいが、同じような問題が世界レベルで進行しているというのは結構衝撃的だ。
これまでの経済成長は人口の増加と深くかかわっている。単純に考えて人口が増えればそれだけ需要が増えて経済が成長していく。この単純な構図が成り立たなくなるかもしれないわけだ。
そうすると投資についても前提条件が変化するわけだから、これまでの理論が通用しなくなることも考えられる。特にインデックス投資は経済成長の果実を享受するわけだが、人口減少によって経済成長が衰えるならば思うような投資成果が得られなくなるかもしれない。
しかし、人口減少がただちに経済成長の足かせになるとも限らない。人口減少を人工知能などのテクノロジーが補うかもしれない。
人口爆発によって環境破壊や資源の枯渇への危機が意識され始めているが、人口減少がこうした問題を和らげるかもしれないのはなんとも皮肉なことだ。
人口減少の要因として挙げられるのが女性の教育と社会進出による出生率の低下だという。すると女性の社会進出をあたかも悪のように考える単純で危険な主張が現れるかもしれない。
人口減少という事実をどう捉えるか。マイナスに捉えるかプラスに捉えるか。世の中単純に善悪では分けられない。ただ、想像以上の困難に出くわすことになるかもしれないことは覚悟しておいたほうがいいだろう。