投資狂日記

自由を追求するブログ

財務次官のバラマキ批判に思うこと

財務次官が雑誌に寄稿した「このままでは国家財政は破綻する」が波紋を呼んでいるらしい。

 

衆院選前ということもあり、どの政党もバラマキ的な政策をそろえている。有権者の歓心を買いたい政治家からすれば、この財務次官による批判は気に障るらしく猛烈に批判している。

また、財務次官の寄稿であることから、財務省による増税や緊縮財政への陰謀みたいな論調もあったりする。

 

政府でも企業でも政策や事業を行うには資金を調達しそれを適切に使う必要がある。

企業では株式を発行したり銀行や社債などで借り入れたりして資金を調達する。政府は税収や国債発行によって資金調達している。

その資金をいかにうまく使うかが将来の成長にかかわってくる。企業では利益を生む事業をしなければいずれ資金調達できなくなり破綻する。

では政府はどうなのか。

これまで何度も財政出動してきたし、アベノミクスでさらにその規模は大きくなった。リーマン・ショック東日本大震災、そして今のコロナ禍が起きてその対策で財政出動が必要となるのはわかる。ではその財政出動ははたしてどれくらい効果的に効率的になされたのか。

財政出動によって適切に使われたのであれば、景気が回復し経済成長に伴って税収も増加して財政がおかしくなることはなかったのではないのか。資金の使い方が良くなかったから景気が一向に回復せず、賃金は上がらず、政府の債務が膨らむ一方ではないのか。

今回もコロナ禍ということを理由に財政出動することになるのだろう。でもその使い方が単なるバラマキで浪費するようなだけなら国の借金だけがさらに積み上がるだけになるだろう。

 

日本国債は自国通貨建てだからデフォルト(債務不履行)は起こらないというが、だったら税金をすべて廃止して政府の財源はすべて国債で賄えばいいではないか。

そうしないのはなぜなのか。

極論すぎる?

極論にこそ本質があらわれるのではないのか。

 

財政破綻=デフォルトということならば、デフォルトが起こらない以上財政破綻もしないことになる。

でも財政破綻ってそういうことなのか?

 

別に政府がデフォルトしようがしまいがどうでもいい。私は日本国債を直接に保有していないからだ。ただ、政府がデフォルトしないかわりにインフレによって国民の生活が破綻することを心配しているのだ。

国債がデフォルトしないから財政破綻しないという形式的なことではなくて、財政破綻とは政府の財政悪化が国民の経済生活を実質的に破綻させることではないのか。デフォルトしないのは貨幣を刷りまくるからであって、結局はインフレによって国民の生活は甚大な被害を被ることになるのではないのか。

 

私は経済の専門家ではないから財政破綻するかどうかはわからない。

ただ、財政破綻しないと言い切ってしまうのはおかしいと思っている。