新年になると不思議と前向きな気持ちになる。だが敢えて最悪の出来事が起きた場合のことを想定しておくおことも必要だ。
その最悪を想定すると、「そんなことが起きる確率は低い」と勝手に判断して頭の中から消し去ろうとする意識が自然と働いてしまう。最悪の想定というのは不愉快でもあるから、なるべくしないようになっているのだろう。
では最悪の想定として考えられることは何か。
まずは自然災害。その中で最も被害が甚大になるのは巨大地震だろう。南海トラフ地震はいつ起きてもおかしくない状況だし、広大な範囲に及ぶ恐れもあって首都圏の直下型地震を誘発することもありうる。また、地震の起きた時期が酷暑の真夏や冷え込む冬であった場合はその後の生活も厳しい状態となる。
さらに生活インフラが破壊され大規模停電が起きれば経済活動も著しく制限される。物流網も寸断され物資が不足することでインフレが進行、為替市場では円安が進み、株式市場は暴落する。日本政府は復興財源を国債発行で賄おうとするが、巨額の財政赤字を抱えていることから高金利で国債発行しないと買い手が現れず、さらに財政悪化が進んで破綻へ向かっていく。エネルギーや食糧も円安によって一層手に入れにくくなる。
自衛隊は災害対応に追われ、こうした日本の惨状を見た中国は台湾へ侵攻し・・・
こんなことは荒唐無稽かもしれない。
でも地震は日本のどこでも起きるし、それは歴史が証明している。
起きる確率は限りなく低くてもゼロではない以上、起きるときは起きる。
最悪の想定は気分が悪くなるが、実際に起きればそれ以上の苦痛となるに違いない。