この新型株は非上場で最初の5年間は自由に売買できないが、その後は買った金額でトヨタに買取を請求できるし、普通株にも転換できるという。また、配当は当初は発行価額の0.5%だが2.5%まで段階的に上がっていくという。
この内容から社債に似たものといえるが、株式なので議決権がある。
トヨタがこの新型株を発行しようとしているのは、個人投資家に長期間保有してもらいたいかららしい。トヨタほどの企業ならそんなことをしなくてもよさそうな気もするが、自動車産業の将来を考えると研究開発費用にあてる長期的な資金が必要となると考えているようだ。
私にとっては長期的に株を所有するかどうかは、この先の業績がどうなるかという展望にかかっている。保有期間の長短はあくまで結果であって、最初から長期保有を目的とはしていない。
利益を着実に積み上げるようならば保有し続けるし、それが危うくなってきていると判断すれば売る。保有期間は関係ない。
トヨタの業績は好調だが、将来どうなるかは難しい。グーグルなどIT企業が自動運転技術などで参入し、自動車の概念自体が変化する可能性もある。
将来性に確信を持てるなら株を買うだろうが、新型株は買わないだろう。将来性を買うという判断をすることは普通株を買ってリスクをとるということだからだ。
新型株は、リスクをとりたくない、もしくはリスクをとるかどうかを5年後に判断したい人にとってはいいかもしれない。