先週、保有株の一つである芝浦電子が決算を発表した。
業績は前期より減収減益で、これは想定通りだった。それよりも注目していたのは翌期の業績予想で、これは思っていたよりも悪かった。
だが決算での発表はそれだけではなかった。
まず、減益だったが増配するという。前期1株200円だったものが今期末は1株300円と一気に100円も増加する。これまでの配当額の推移を見てみると、2021年3月期は1株75円、2022年3月期は1株150円、2023年3月期は1株200円とここ数年で急速に増加している。
そして今年6月30日に1株を2株へと株式分割することを発表した。投資単位を引き下げて流動性を高め、投資家層の拡大を図ろうとしている。
さらに、自己株取得を発表。その理由は、持続的な成長に向けてさらなる企業体質の強化に取り組み、企業価値向上に努めること。そして経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行、資本効率の向上を図るため、という。
芝浦電子はこれまで地味な企業だったが、どうやら変化の兆しがあるように思える。業績には停滞感があるが、そういう状況であっても生産性の向上と業績拡大への設備投資を積極的に進めている。増配というのも経営陣のある種の自信を反映したものといえるかもしれない。
今日の株価は上昇しているが、株式市場で目立つほどではない。地味であるゆえに気づかれにくいのかもしれない。私としてはこのまま静かにじりじりと上昇してもらうほうがいい。
今後もどう変化して、それが業績につながり、企業価値が向上していくか、気長に見守っていきたい。