投資狂日記

自由を追求するブログ

狂気の振り子仮説

日銀の黒田総裁が明日退任する。これでまた新しい局面へと突入することになるだろう。

それで好転するのか暗転するのかわからない。希望もあるが、絶望的な状況にもなりうる可能性もある。

 

このブログで何度も書いたが、幕末以降の日本は振り子のように揺れ動いてきたと考えていて、それが今後も続くのではないかと思っている。

 

すなわち、行き着くところまで行かないと変わらず、そして変わるときは一気に正反対の方へ向かっていく。これを私は「振り子仮説」と呼んでいる。

 

幕末に黒船が来てから一転して鎖国政策を放棄し、一気に西洋の技術や文化を取り入れた。

その過程で富国強兵を目指し、日清・日露戦争に勝利したことで勢いづくが、次第に軍国主義という狂気へと変質し無謀な戦争へと突き進んだ。そして全国が焼け野原となり、さらに原爆が落とされるところまでいってようやく戦争を止めた。

戦後はまた一転して平和国家となり、復興する過程で高度経済成長を達成するが、さらに突き進んでバブル経済という狂気の絶頂にまで達した。

そのバブルが弾けると一気に経済が低迷し、今度はデフレ経済へと突入した。これを脱するべく安倍首相によるアベノミクスが始まり黒田日銀総裁のもとで異次元の金融緩和が始まった。円高の修正や株高にはなったものの、競争力は落ち、生産性も賃金も上がらなかった。一方で低金利をいいことに財政規律は緩み、国債残高はうなぎ登りで現在に至っている。

この先の振り子はどう動くのだろう。

 

振り子の動きには狂気が存在している。軍国主義という狂気、バブル経済という狂気。そして今度は財政の狂気だろうか。

 

ヤバい状態にあるんじゃないのかと薄々気づきはじめているひとはたくさんいるはずだが、嫌なことは考えないようにすることでズルズルと事は進んでいく。

 

狂いだすとなかなか止まらない。

そうしているうちに振り子は極限まで振れる。

 

これまでは痛みがあっても麻酔でごまかしてきたようなものだ。だがいずれ麻酔が効かなくなるときがくる。その時の痛みは激しいものとなるだろう。

 

振り切れるまでに最悪を経験するが、振り切ってしまえばその先は希望へ向かうともいえる。

逆にいえば振り切れないといつまでも希望はないということか。

 

世の中は上手く行かないように上手くできている。

狂気の振り子から身を守るには知恵が必要となる。