投資狂日記

自由を追求するブログ

経済は水物

とうとう政府・日銀が円買いの為替介入をした。半年あまりで約30円も円安になるという急激な変動に相当な危機感を持っていたのだろう。

でもこの為替介入にどれくらい効き目があるのかは疑わしい。効果はあまりないかもしれないけど、とにかく何かをしないといけない雰囲気に追い込まれているような気がする。やるときはやるという姿勢を見せなければいけないというのもある。そのためかなんだか悲壮感が漂っている。まるで太平洋戦争末期の特攻みたいだ。

 

為替介入前に行われていた日銀の黒田総裁の会見を見ていると、総裁就任時と比べて歳をとったこともあるが、しゃべっていることがもごもごしていて弱々しくなってしまった。あれほど自信ありげに強気に金融緩和をしたにもかかわらず、一向に思うようにならない現実に疲れ果てて苦悩しているように見える。

 

経済というのは無数の変数があって、ある変数を無理やり動かしたとしてもそのほかの変数による影響によって思ったようにはいかない水物なのだと改めて感じる。経済理論といっても、あらゆる変数を所与として固定したうえでいくつかの変数を動かしたときにどうなるかを説明しているにすぎない。だから理論通りになるのはごく限られた状況でしかなく、現実は複雑であることを思い知らされる羽目になる。

だからどれだけ利上げすればインフレが収まるのか、どれくらい為替介入すれば為替相場が安定するのか誰も明確にはわからない。だから結局は手探りでやってみるしかないのだ。

 

そして変数の変化は常に起きる。

ロシアが始めたウクライナ侵攻は、ロシアで部分動員令が発令されるまでになった。これによってロシア国内に動揺が起きて、事態が新たな方角へ向かうことになるかもしれない。そして米国では中間選挙があり、中国では共産党大会がある。

それらが世界経済にも影響を及ぼし、その結果どうなるかは誰もわからない。