新春恒例といえば初詣。我が家は近所の神社へお参りに行き、そしておみくじを引くのがパターンとなっている。今年引いたおみくじはなんと「大吉」。「商売」は「売買何れも吉」で「相場」は「山気を出すな」となっている。「驕ることなく心正直に行い正しく身を守りなさい」の言葉通りに行動したいと思う。
また、もう一つの新春恒例は、NHK-BSで放送される経済ドキュメンタリー「欲望の資本主義」を観ることだ。今年は「欲望の資本主義2023 逆転のトライアングルに賭ける時」と題している。
これまでは金融緩和ということからマネーの膨張に焦点が当てられていた気がするが、今回はエネルギーや膨張する債務などの多くの経済的な問題にどう対応していくかを考えさせる内容となっている。
そして題名にある「トライアングル」というのは、「政府」「企業」そして「市民社会」の関係を意味している。これまでは政府と企業といういわゆる「官」と「民」の対立ととらえられていたところに「市民社会」という要素を入れることでバランスをとるということらしい。
とはいえこれが正解というものはない。だから自分で考えるということが重要となる。日本では「協調」が重視され、それによっていくつかの困難を乗り越えてきた。だがその一方で、協調を重視するがために思考を停止して他者に追随するだけになってしまい、気付くといつのまにか衰退の道を辿っている。
番組を観ていると「成長」や「イノベーション」といった言葉が何度も繰り返される。なんとなく聞き流してしまうけど、じゃあ「成長」とは何なのか。なにをもって成長といえるのか。成長というのは経済指標が統計的に伸びていればいいのか、個人のスキルが向上することなのか、企業の利益が増えることなのか。よく「生産性を伸ばせ」というけど、そもそも「生産性」とは何を意味しているのかみんな考えているのだろうか。なんとなくふわふわした言葉をなんとなくそれらしく使ってごまかしている気がしてならない。「新しい資本主義」というのもそうだ。それらしい言葉を使っているが、中身ははっきりしていない。
わかったつもりになって言葉だけが先歩きして中身が伴わない。結局のところ何も考えていないということなのだろう。これからはもう一歩深く掘り下げ、突き詰めて考える姿勢がもっと必要となるし、そうすることでこの混迷の時代を乗り越えることができるのではないかと思う。