投資狂日記

自由を追求するブログ

【読書記録】「群衆心理」 ギュスターヴ・ル・ボン著  櫻井成夫(訳)

投資で上手く行くための条件は、少数派でいられることだと私は思っている。少数派というのは多数派でないことであるが、言い換えれば群衆から離れたところにいるということでもある。

 

なぜ群衆から離れるのかというと、群衆の思考や行動に合理性がないことが多く、そこから投資のチャンスが生まれるからだ。

それが「群衆心理」を読むきっかけとなった。

 

ル・ボンによれば、群衆には次のような特徴があるという。

 

衝動的で動揺しやすく昂奮しやすい

暗示を受けやすく、物事を軽々しく信ずる

感情が誇張的で単純である

偏狭で横暴で保守的

 

群衆は論理ではなく心象(イメージ)で物事を捉え、そのイメージは標語やスローガンによって暗示を受けることで作られていく。そしてその暗示が感染していき群衆は衝動の奴隷となる。

 

群衆はフランス革命の原動力となったが、革命後の群衆は暴徒と化して無実の民を断頭台へと送り込むところまで暴走した。

そして現代では、トランプ支持者による米国議会襲撃事件のようなことが起きた。

コロナ禍でもマスクやワクチンに関して群衆はどうだったか。

昔も今も群衆の性質は変わらないのだ。

 

今、メディアやSNSでも断言的な物言いや白黒はっきりした単純図式が溢れている。群衆は「断言、反復、感染」によってコントロールされるという。まさに断言的な専門家や評論家が幅を利かせ、繰り返し繰り返し意見の違う他人をこき下ろし、それがインフルエンサーによって広まっている。

群衆心理に影響されやすくなっているといっていい。さらに日本人は横並び意識や同調圧力が高いため、その影響も大きくなる。

 

暴走する群衆にならないためには、やはり自分自身で考えること、安易に決めつけないことにつきるのだろう。