最近の株式市場で言われるようになったことは、銘柄の物色対象がグロース株からバリュー株に移っているということだ。
このグロース株とバリュー株、あるいは成長株と割安株という分類は、対立するもののように思われている。だが私はこの分類に違和感がある。なぜならそもそも評価軸が異なるからだ。
成長性というのは企業業績の伸びについていうもので、その企業のファンダメンタルだ。そのファンダメンタルを株式市場が評価し、その評価について株価が割安か割高かということになる。
より具体的にいうと、横軸に成長性、縦軸に割安度としたとき、以下の4つに分類される。
①成長性が高く、割高
②成長性が低く、割高
③成長性が高く、割安
④成長性が低く、割安
一般にグロース株と呼ばれるものは成長性が高い企業だが、それが割高だったり割安な場合もあるわけだ。
また、バリュー株にも割安だけれども成長性があるものとそうでないものがある。
成長性が高くなおかつ割安な株があった場合、それはグロース株ともいえるしバリュー株ともいえることになる。
つまりグロース株からバリュー株へという流れは、言い換えれば成長性という横軸から割安度の縦軸へ重点が移ったということだ。だからファンダメンタルに大きな変化がないにもかかわらず株価が下がっていくのはそれまでの割高感が修正されている過程ということになるのだろう。逆にあまりにも割安過ぎた株が修正されている過程でもある。ファンダメンタルが傷んでいるという印象はあまりない。
こうした流れを把握しつつ、やはり狙うべきは成長性が高く、なおかつ割安な株なのだ。
割安度の評価軸に重点が移っているので、割安であれば成長性が低くても旨味があるわけだが長期的には期待できない。一番ダメージを受けているのは成長性が高くて割高になっていた銘柄だ。だが、成長性が持続している限りはいずれ評価は戻ってくる可能性が高い。
そして成長性があるにもかかわらず割安になっている銘柄が増えつつある。
私はそれを株式市場のバーゲンセールと呼んでいる。