投資狂日記

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日経平均株価3万円回復に思うこと

今日の日経平均株価が3万円を超えたことは、長かったバブル後の大きな区切りとして象徴的な意味合いがある。

 

この現状の株価水準が果たして割高なのか。

PERでいえば割高ともいえるが、ではPBRではどうか。

PBRとは、会社の1株当たり純資産(BPS)に対して株価が何倍かを表す指標だ。もし、PBRが1倍を下回っているならば株価が会計上の純資産以下の値段となっている状態、すなわち株価が会社の解散価値を下回っている状態であり、一般には株価が割安だとされる。

ところで現在の東証1部上場企業全体のPBRは約1.4倍だが、PBRが1倍以下となっている企業は半数近い。ということは半数近くは割安ということなのか。

 

本来、PBRが1倍未満ということは異常なはずなのだ。企業は事業によって利益を獲得していくが、それによって純資産が蓄積されていく。利益の蓄積が続くと予想されれば株価もその予想を反映して純資産よりも高くなり、PBRは1倍を超えるはずなのだ。

だがPBRが1倍を下回るということは、将来的に損失が生じ純資産を食いつぶすと予想されていることになる。利益を積み上げるのではなく純資産を食いつぶすというのでは企業としてまったく期待されていないということだ。

 

むろん、PBRが一時的に1倍を下回るということはありうる。リーマン・ショックや去年のコロナのような突発的な出来事の時が典型だし、そもそも注目されていない企業はそうなりやすい。

しかし、注目されていない企業だからといって純資産を食いつぶす企業であるとは限らない。バリュー投資が有効なのは、業績がしっかりしているにもかかわらず注目されていないために株価が割安に放置されている企業に投資するからだ。そうではなく将来的に純資産を食いつぶしそうな企業を選んだら投資資金を失うだけだ。

 

PBRが1倍を下回っているからといって割安だとするのはあまりにも単純すぎる。本当に割安なのか、それとも将来性がないゆえに安いのか、それを見極める必要がある。

 

PBRが低い企業をみてみると、多いのは銀行だ。長く続く低金利とフィンテックなどといった変革の波によって業績が良くないどころではなくもはや銀行そのものの存在自体が揺らぎ始めている。

 

株高を引っ張る企業がある一方で将来性が危ぶまれる企業もたくさん存在している。

日経平均株価3万円といってもその中身は玉石混合であることには変わりない。