TBSの「日曜日の初耳学」という番組で林修氏がインタビューするコーナーがあるのだが、昨日はマーケターの森岡毅氏が対談相手で非常に興味深い内容だった。
森岡氏はUSJの低迷していた業績を劇的に回復させたことで知られている。さらに丸亀製麺や西武ゆうえんちの業績も急回復させるという実績を上げ、注目されているマーケターだ。マーケターというより戦略家がふさわしいかもしれない。
その成功の要因は、数学的な考え方にあるという。
このことは林氏も共感しているようで、林氏は対談の中でこんなことを言っていた。
「数学をやってこなかった人は、定数を動かそうとする。」
定数は変更できない数値で、ここに注力しても効果はなく、自分で動かすことが可能な変数に力を注ぐべきだという。世の中は自分の力でどうしようもないことと自分の力でどうにかしなければいけないことに分けられるが、多くの人は自分の力でどうしようもない定数に労力を割いてしまっている。そこでどこに時間や労力を注ぐべきかを論理的に紐解いていくのが数学的アプローチだという。
これは自分でコントロールできることとできないことを分けることを説いたエピクテトスのストア哲学と似ている。
他にも印象に残る言葉がいくつもあった。
「物自体が変えられない。何を変えるか。そのときはお客さんのかけている眼鏡を変える。絵が変えられないときは額縁を変える。文脈を変えることによって中身の価値を操作できる。」
「弱みが強みになったのを見たことがない。成果は強みからしか出てこない。だから強みを徹底的に磨くべき。」
「弱みを掘ることは、動かない定数にチャレンジすることに他ならない。」
この対談はYouTubeで1か月限定で配信されているので、興味あったら観てみてほしい。