先日、BS各局共同番組で池上彰氏と歴史学者・磯田道史氏の対談をみた。
この番組の中で、『日本の習慣のなかには「もし〜だったら」ということを考えない
、というより嫌なことは考えないようにするという傾向がある』と磯田氏が述べていた。
私も似たような感覚で、日本の歴史は振り子のようだと思っている。
行き着くところまで行かないと変わらない。そして変わるときは一気に正反対の方へ向かっていく。
幕末に黒船が来てから一気に西洋の技術や文化を取り入れる。
その過程で富国強兵を目指し、次第に軍国主義化して戦争へ突き進み原爆が落とされるところまでいって焼け野原となる。
そして平和国家として復興の過程で高度経済成長を達成し、さらにバブル経済へと突き進む。
そのバブルが弾け経済が低迷し、デフレ経済が続いた現在となっている。
では今の振り子は何かと言えば、国の借金だ。バブル崩壊後に国債は増え続けている。金融緩和が異次元の状態で低金利が続いていることもそれを後押ししている。
この状態は行き着くところまで行ってしまうのではないか。
ヤバい状態にあるんじゃないのかと薄々気づきはじめているひとはたくさんいるはずだが、嫌なことなので考えないようにしている。そして振り子は極限まで振れる。
行き着くところまで行ってしまったとき、その衝撃はとてつもなく大きく、おそらくはとんでもなく酷いことになる。
アベノミクス以降、株価は上昇してきた。
だがこれまで積み上げたものは実は砂上の楼閣ではないかとふと思うことがあり、背筋が寒くなることがある。
国の借金のみならず、南海トラフ地震や首都直下型地震といった自然災害、北朝鮮など戦争の危険性やテロなど嫌なことを考えたくなくなることは多い。
嫌なことでも「もし〜だったら」ということをあえて考え、そして準備しておかなければならない。
砂上の楼閣にいるかどうかは、後になって崩れたときでないとわからないのだから。