今日の日経新聞に興味深い記事があった。
『「タダ乗り投資」市場蝕む パッシブ化の弊害』
という記事だ。
世界的にパッシブ運用の比率が高まっている。パッシブ運用は効率的とされているが、パッシブ運用が膨らむことで逆に非効率になるおそれがあると警鐘している。
パッシブ運用は多数のアクティブ投資家がいるからこそ成立するのであって、アクティブ投資家が少なくなってしまえば市場での価格が歪められることになる。
ノーベル経済学賞のロバート・シラー教授は、「全ての情報を反映するマーケットに勝ち目がないからと投資家全員がパッシブ運用になってしまったら、誰が市場に情報を反映させるのか」と言った。
パッシブ運用は楽だしコストも低いから人気になり急速に増えた。
だが、過ぎたるは及ばざるが如し。
効率的だと思ってみんながやり出すとかえって非効率になってしまうという皮肉な現象が起きる。
ならば今度は逆にアクティブ運用が見直される時期がやってくる。
振り子のようにパッシブからアクティブへと揺れ動くことになるだろう。
そしてパッシブとアクティブが均衡するような方向へ向かっていく。
市場は常に効率的というわけではなく、現実的には非効率だが効率的になろうとする力がはたらいている。
パッシブ運用の増加によって市場に歪みが生じているこの状況は、アクティブ投資家にとって好機となる。そして歪みが大きくなればなるほど有利になる。
そして逆にパッシブ運用でタダ乗りしてきた投資家はいずれ試練を迎えることになるだろう。それでもなおパッシブ運用を続ける人こそ本物のパッシブ投資家なのだ。だがそのような投資家は少数なのかもしれない。
投資において、実は少数派であることというのは最も重要なことではないかと思っている。みんなと同じことをしていたら大きな成果は得られないのだ。