昨日の日銀による金融緩和修正が市場を驚かせている。黒田日銀総裁は必死に「利上げではない」と釈明しているが、誰もが事実上の利上げと受け止めている。
急激な円安と物価高の批判、そして海外勢による日本国債の売り浴びせにさらされ、ついに動かざるを得なくなったのだろうか。先日、政府が防衛費の財源を巡って増税の方針を打ち出し、その後に日銀の金融緩和修正という政策変更になったわけだが、この一連の出来事から水面下で何かがあったのかと考えられなくもない。
大規模金融緩和が実施されれば、いつかはそれが終わる局面がやってきて、しかもそれはかなりの動揺をもたらすだろうと想像はしていた。歪みが大きければその反動も必然的に大きくなる。その歪みがとうとう抜き差しならぬところまで来たということなのか。昨日も市場は即座に反応し、為替は円高へ大きく振れ、株価は堅調だった午前とは打って変わって急激に下落した。
ついに局面が変わる時がきた。
これから強烈な風が吹き荒れて、なぎ倒される者が続出することになるかもしれない。大規模金融緩和という居心地の良さに慣れ切って何もしてこなかった人と、黙々と何かしらの鍛錬を続けていた人とで明暗が分かれるだろう。
ウォーレン・バフェットはこう言っている。
「潮が引いて初めて誰が裸で泳いでいたのかが分かる」
そして私の好きな言葉はこれだ。
「疾風に勁草を知る」
企業も投資家も真価が問われるのはこれからだ。