投資は自己責任ですることが大原則だ。でもこの自己責任というものを本気で自覚して投資している人はどれくらいいるのだろう。
感覚的には、この投資における自己責任を自覚している度合いが強いほど投資がうまくいくのではないかと思っている。責任を負う覚悟があるといってもいい。逆に言えば、責任を負う覚悟が弱い人はいつまでたってもうまくいかない。
これは行動にもあらわれる。
とにかくできない理由を並べ立て、言い訳をして、結局行動せず、しかも文句ばかり言っている人がいる一方で、自分が苦しい状況にあっても何ができるかを考え、自ら行動し、少しずつでも前進しようとする人がいる。
投資における自己責任は、とことん自分で考えることから始まる。本を読んだり、他人にアドバイスを求めたとしても、それを鵜吞みにせず自分で考えて解釈することだ。そのうえで行動に移す。
例えば、「長期投資をしよう」とよく言われるが、「長期」とは何を意味しているのか。株式をとにかく長期間保有すればいいことなのか。積み立てを長期間続けることなのか。長期とは3年なのか10年なのか。
「長期」という言葉でも人によって意味合いが全く異なるのだ。だからこそ自分なりに考えて自分なりの「長期」を意味づけないといけない。
自分で考えることをしなからこそ巷の情報に振り回される。
投資においては他人にアドバイスを求めること自体が間違っているのかもしれない。
アドバイスした側にすれば、「私のアドバイスを受け入れるかどうかはあなたの自己責任です」と言えば済むわけで、そのアドバイスを強制することで責任を負っているわけではない。極端にいえば、あなたがどうなろうが知ったこっちゃないのだ。
アドバイスを求めるということは、自分で決められない部分があって、その決断に他人の意見を取り入れることで他人のせいにできる余地を生み出し、それに安心したいだけだ。つまるところ投資の自己責任から逃れたいという心理的欲求なのだ。
投資は自分自身で決断し、どんな結果も自分で受け入れなければならない。
だから孤独で厳しい面もある。
投資でうまくいくにはその厳しさを引き受ける覚悟がいるのだろう。