日経平均株価が上昇している。それもかなりの勢いだ。こういう雰囲気になると株式投資に興味を持つ人が増えてくる。
そして現在の日本ではインデックス投資が主流になりつつある。誰も彼もがインデックスだ。しかも米国株に関心が向かっていて、米国株のインデックス投資に人気がある。
むろん、インデックス投資は物凄く理に適った投資法で、多くの人に支持されている。私もその考え方を否定するものではない。
ただ、みんながみんなインデックスへと向かっているという状況に気味悪さを感じるのだ。
アメリカでもインデックス投資に存在感があるが、同時にアクティブ投資も非常に多い。さらにはオプション取引といったデリバティブ取引も活発で、様々な投資家がいるからこそ市場が活性化されている。
日本ではまだそうした状況にはなっていない。ようやく株式投資を始める人が増えてきたが、その大半が揃ってインデックス投資へ向かうような気がしている。
しかもそれが「みんながそうしているから」という理由だとしたら、非常に危うい。
投資は自分自身で決断して行うものだ。
インデックス投資がどういう理屈なのかを理解したうえでそれを自らの決断で選択したのであれば何の問題もない。しかし、他人の行動を見てそれをただ真似するだけというのでは自分の判断がないことになる。上手くいっている時はいいが、状況が悪くなるときっと他人のせいにすることになる。そして他人のせいにしてまた別の他人の真似をしようとする。そこに「自分自身」という存在はない。
これは別に投資に限ったことではない。
自分で考えて判断せずにただ周りと同じ行動をしている人の特徴は、ことごとく他人のせいにしていることだ。
投資が上手くいかないとしたら、それは手法ではなく責任をとるということがわかっていないからだ。他人のせいにしている人は自分に責任があると思っていないから、同じ過ちを繰り返し、成長することはないだろう。