投資狂日記

自由を追求するブログ

計画と臨機応変

先日読みたい本として取り上げたうちの1冊を読んだ。

読んだのはこれ。

 

日本人とイタリア人は気質が違うものの、共通する部分もあるように感じて興味深かった。

イタリアは家族的経営の企業が多いことで知られ、それが働き方にも反映されているという。イタリア人は、決められた時間に働いて労働の対価を得るということが好きではないらしい。むしろ自分の好きな仕事を時間に関係なくするという職人的な働き方を好むという。優れたデザインや美しい製品はそうした気質から生まれるのだ。

一方、日本も伝統工芸などをはじめ職人気質な分野はたくさんあるものの、決められた時間働いて労働収入を得るほうが一般的だ。だが、日本もイタリア同様に中小企業が多く、びっくりするような技術を町工場が持っていたりする。もともと日本人も実は職人のような働き方のほうが合っているのではなかろうか。日本人が疲れ切っているように見えるのは、本来の職人的気質に合った働き方をしていないことと関係しているのかもしれない。

 

あとイタリア人は「寄り道こそ人生」だと思っているという。ある目的に向かっていてもその途中でいつのまにか寄り道してしまい、それに夢中になって本来の目的を忘れてしまうほどだという。日本では「寄り道してはいけません」と教えられるものだが、寄り道こそ人生の醍醐味でそれを楽しむというイタリア人の正反対の考えは興味深い。

だからイタリアでは計画というものはあってもないようなもので、むしろ臨機応変の能力が求められるという。

いくら計画してもその通りに現実が進むわけではなく、必ず不測の事態が起きるものだ。イタリア人はその不測の事態に滅法強いという。一方の日本人はあらかじめ計画を立てその通りに実行しようとする。うまくいっているときはいいが、不測の事態が起きると混乱してしまい、臨機応変が苦手で融通が利きにくい。

 

現在は先行きが不透明で変化が激しい世の中だ。何年も先の計画を立てるということの意味を考え直す必要があるのではないか。そのかわり変化に対して臨機応変に対応することの重要性が増しているともいえる。

これは企業にも当てはまる。これからはきっちり計画を立てるような企業より臨機応変な企業のほうが有望なのかもしれない。