保有銘柄の決算発表は終わった。
決算は株価に影響を及ぼす要因の一つだが、もちろんそれだけで決まるわけではない。多くの要素が絡み合っているからこそ株式投資は一筋縄ではいかないわけだ。
株価=RER×1株利益
と一般に表されるが、この式はシンプルながら奥深い。
とくにPERについては捉え方が難しい。
上記の式は、
バリュエーション×ファンダメンタル
とも言い換えられる。
私はこれまでファンダメンタルを重視してきたわけだが、やはりバリュエーションも考えないと上手く行かない。
バリュエーションとは何か。
投資家からみた成長期待でもあるし、注目度でもある。あるいは株価の動きの「勢い」ともいえる。
1株利益といったファンダメンタル、すなわち「地力」がいくら良くても「勢い」がなければ株価は上がらない。
だが、勢いだけで地力がなければいずれ株価は崩れる。だから地力があることはやはり重要で、この地力が株価の下支えになる。
「地力」というのは、決算やビジネスモデルを分析することである程度把握することができる。だが「勢い」をどう捉えるかは難しい。
PERが過去の推移からして低い水準であれば割安と考えられるが、将来に元の水準まで戻る保証はない。元に戻るかもしれないし、ずっと低いままで安定してしまうかもしれない。
株価は将来の利益の現在価値とすれば、
株価=1株利益×1/(割引率-成長率)
となり、1/(割引率-成長率)がPERとなる。PERを動かす要因が割引率と成長率であり、割引率は金利水準と関連している。
ここ最近は金利が上昇する懸念があって、それによってPERが下がっているといわれる。
だがもう一つの成長率はどうか。これこそ各企業個別の要因だし、企業の「地力」に関わってくる。
金利上昇に負けない成長率があるかどうか。この成長率の見極めこそが肝なのだろう。