かんぽの不正問題が深刻になっている。
郵便局への信頼をいいことに保険を強引な手法で契約させたりしていたことが明らかになった。背景には重いノルマが課されていたことにある。
かんぽに限らず、多くの企業ではノルマというのが存在する。ノルマは収益確保のための至上命題となり、上層部が部下に対して威圧的になり、えてしてノルマ達成のために精神論や根性論がはびこる環境が出来上がる。だがどんなに精神力があろうが根性があろうが無理なものは無理なので、自ずと不正をすることで達成しようとすることになる。そして上層部は現場で起きていることを知らず、事が大きくなって初めて驚き、神妙に頭を下げて謝罪する記者会見がテレビで放送されることがお決まりとなっている。
また、セブン＆アイホールディングスがセブンペイを終了することにしたが、これもサービス開始に間に合うようにシステム開発を急ぐというノルマによって、セキュリティが甘くなってしまい信用を失ったことによる。
企業が厳しいノルマを課すのは、収益が上がらなくなってきたからだ。厳しいノルマを課すことで収益が確保できるならこんな簡単なことはない。「貧すれば鈍する」というが、これは企業にもあてはまる。収益が上がらなくなり貧しくなってくると知恵が働かず愚かになり心も貧しくなるのだ。
かんぽ生命を傘下にもつ日本郵政は高い配当利回りが魅力となっているが、その配当のもととなった利益には不正によってもたらされたものが混じっている。そんな配当をもらってもうれしくはないので日本郵政株を買おうとは思わない。
