投資狂日記

自由を追求するブログ

国会議員を律する法律を国会議員がつくるという矛盾

自民党派閥の政治資金裏金に関する捜査が進んでいる。

政治家の責任が問われてしかるべき状況だが、法的にはハードルが高いらしい。現行の政治資金規正法では収支報告書の提出義務を会計責任者に課している。だから不記載や虚偽記入があった場合は、会計責任者が責任を問われる形になっていて、政治家自体には直接的には影響が及ばないようになっている。

 

これってかなりズルいことだ。だがこの法律は国会で成立しているということを忘れてはいけない。国会議員は自分自身を守るため巧妙に法律に埋め込んでいるわけだ。

 

憲法によって国会は国権の最高機関とされている。だからその国会を構成する議員が自らを律する法律を作れるのは国会しかない。だが現実は自らを縛る法律をつくってはいない。形式上は見せかけていても実質的には法律に穴があったりする。今回の政治資金規正法もその一つだ。

 

国会議員を選んでいるのは国民自身だが、そういう議員を選挙で選んでいる責任が国民にもあるのは確かだ。だが、国会議員を縛る法律を国会議員自身に作らせるという制度的な矛盾をどうにかしないかぎり、いつまでたっても政治に対する不信はなくならないのではないか。

 

政治家が責任を逃れ、かわりに政治資金を管理する会計責任者が罪に問われることになるのだが、当の会計責任者はどう思っているのだろう。罪を背負った後も政治家が生活の面倒を見てくれるのかもしれないが、だからといって有罪者として扱われる苦しみから解放されるわけではない。

それでも政治家の会計責任者になる人がいるのから不思議なものだ。今回のことをきっかけに政治家の会計責任者を引き受ける人がいなくなれば、状況は良い方へ向かうのだろうが、おそらくはそうならないのだろう。