投資狂日記

自由を追求するブログ

日本企業の経営陣について思うこと

企業について分析しようとするとき、事業内容やビジネスモデルそして財務数値などを調べるが、経営陣がどんなメンバーなのかというのも知っておく必要がある。

 

日本企業の取締役会というと、最近では社外取締役とか女性取締役が話題になる。もちろんそれも大事なのだが、以前から不思議に思っていたことがある。それは明確な財務担当役員が驚くほど少ないのだ。

 

現在投資している企業でも純粋な財務担当役員はほとんどいない。企業経営にとって財務は重要であるにもかかわらず、最高財務責任者CFO)といった役職でなくとも財務担当の役員が見当たらなかったりする。おそらく管理本部長とか経営管理部長といった役職の中に財務も含まれているのだろう。

 

経営トップはどうしても営業畑や技術畑出身になりやすい。そして財務関係は総務や人事といった管理系の部門と同じように扱われ、そして管理部門のトップとして役員が置かれることが多いのだろう。そして管理部門のトップが財務に明るいとは限らない。

 

この財務があたかも軽視されているような現状こそ、日本企業の大きな問題なのではないかと思ったりする。

 

そんな中で、印象に残っている企業がある。

それはソニーだ。

 

ソニーの現在のCEOは吉田憲一郎氏だが、この人はもともと財務畑で平井前CEOのもとで最高財務責任者CFO)を務めていた。ソニーの業績が明らかに回復し始めたのはこの平井・吉田コンビで、株価もかなり上昇した。その背景に財務がわかる吉田氏の存在があったと私は見ている。やはり企業経営は営業が強くても技術が優れていても、適切に経営資源を配分しているか財務の観点から全社的に把握しないと上手く行かないのだ。

 

優れた経営者は財務や会計の素養を備えている人が多い。松下幸之助もそうだし稲森和夫もそうだ。財務に疎ければ財務に強い人材を経営陣に含めればいい。全社的な観点から財務を把握できる人材が経営陣にいることが重要なのだ。

 

日本株の評価が低いのは、経営陣に財務を把握できる人材が脆弱で、投資家への説明や情報開示が拙いことがあるのかもしれない。そう考えるとソニーの例は非常に興味深いのだ。