コロナ対策がうまくいっていない菅内閣の支持率は下がり続けている。今年中に選挙があるのは確実なのだから野党にとってはチャンスなはずだが、その野党の支持率は全く上昇する気配がない。そうなる理由についてプレジデントオンラインに興味深い記事があった。
「ワーワーわめくだけで議員給与2200万円」自民がコロナ失政でも野党の支持率が上がらない根本理由 怒り散らして攻撃するだけの未熟さ #POL https://president.jp/articles/-/46548
野党の支持率が上がらない理由として、そのコミュニケーションスタイルが原因だとしている。いつも怒っていて相手を攻撃し批判しかしない。自分たちはそれで良かれと思っているのだろうが、それがかえって人々を不快にさせているという。
たしかに見ていて見苦しいと思うことが多いし、それが野党の上がらない支持率につながっていることはうなずける。
だが、私は野党議員がそうしたことに気付いていないのではなく、あえてそうしているのではないかと思っている。
野党議員にも自分の主義主張があるのだろうが、最も重要なのは「議員」という地位なのだ。年収数千万円を手に入れられる議員という職業を手放したくないのだ。そして議員という地位は欲しいが重い責任は負いたくない。責任追及されて議員という地位を失うことを一番恐れる。だから野党の議員は議員の地位を守りつつそれを失わないように振舞う。そのため政権与党に対して「怒り」の感情を表して批判し、有権者に対してちゃんと議員として仕事をしていることをアピールするのだ。
さらに自分自身の主義主張に沿って行動していることをアピールするため新しい政党をつくったりする。だが選挙が近いことに気付くと選挙に勝てないことを恐れ、与党への対抗軸と称して野党議員が再び集結するようになるのだ。
とにかく議員という立場があることが第一で、実は本気で政権を取るつもりなどないのだ。政権を取ればあらゆる批判を受けねばならない。これまでさんざん批判してきたのに批判されることに耐えられないのだ。それを民主党政権で経験したわけだ。
だからずっと野党であるほうが都合がいいのだ。政権批判をしていれば最低限の支持は得られるし、なにより気楽だ。国会で「怒り」の答弁が話題になれば世間に知られて選挙で少しは有利になる。知名度があるだけで議員の立場はより安全になるからだ。
野党にとっては議席を取れないほど支持がないのは困るが、政権交代してしまうほど支持が集まってしまうのも困るのだ。
野党の動向をみているとどうしてもそうとしか思えない。