今年は秋らしさを感じる時が短いまま冬になってしまいそうだ。
秋は実りの季節でもあり食べ物がおいしくなる。こうしたおいしい食物を収穫できるのは種蒔きをしていたからだ。当たり前のことだけど、種蒔きをして丁寧に育てた結果、作物が収穫できる。だが、その間は必ずしも平穏な時間とは限らない。風雨にさらされ、猛暑も容赦なく襲う。そのため途中で生育をあきらめることも起きる。
そうしたあらゆる困難を超えてようやく収穫の時がやってくる。だからこそ収穫の喜びは格別なものとなる。
これは株式投資もまったく同じことがいえる。
有望と思える銘柄に資金を投下することは、将来への種蒔きだ。そしてその結果はすぐには表れない。途中では様々な困難が待ち構え、芽が出ず枯れてしまうこともある。一方、順調に育てば大輪の花を咲かせ、大きな実をつけることもある。そして株価の上昇や配当という形で収穫するのだ。また、収穫した実は種でもあり、その一部はまた将来への種として蒔かれる。
種を蒔かない限り収穫することはできない。
しかも蒔いた種が芽を出すとも限らない。
芽を出したとしても実が生るまで育つとは限らない。
収穫するまでにはリスクが存在する。
そして実が生るまでじっくりと待たなければならない。
でも多くの人は待つことができない。
すぐに結果を欲しがる。
そのため、実が生ることを待つよりもマーケットで実そのものを売買して儲けようとしている。しかもその実を味わおうとしない。
それでは味気ない。
株式投資でも収穫の喜びをもっと味わいたい。
種蒔きから収穫までは大変だけど、だからこそ面白い。
秋の味覚を楽しみながら改めて思った。