自民党の経済成長戦略本部が「1億総株主」の目標を掲げた提言を政府に申し入れたという。「貯蓄から投資へ」の流れを促進させるためで、岸田首相もNISAの拡充などをする方針らしい。
私も以前このブログの記事で書いたが、松下幸之助の提唱した「国民総株主論」を支持している。
だが、この「1億総株主」についてSNSでは否定的な論調らしい。
まず、そもそも岸田首相自身が株式を保有しておらず、そんな人が何言ってんだという当然の反応だ。本当にやる気ならまさに「隗より始めよ」で自ら日本株のETFでも買ってみせるべきだろう。
そして「投資資金がない」という意見だ。生活に余裕がなくて投資する資金などないという。
さらには、「リスクがある」「損するに決まっている」という投資についてお決まりの否定的な見方だ。
こうした反応を見て思った。
「1億総株主」は理念やあるべき姿としてはいいが、現実にそうすることは困難であろうと。
株式投資に限らず投資というのは自らの意思で進んで行動することだ。
1枚のカードに「リスク」と書かれていてその裏には「チャンス」と書かれていたら、まず「チャンス」のほうを見てそれに見合う「リスク」かどうかを考える人が投資に踏み出すのであって、「リスク」を見ただけで「チャンス」を見ようとしない人は自分から行動に移すことがない。
投資する資金がないというが、本気になれば投資への資金など自分でつくろうとするものだ。私も投資を始めたときは生活もカツカツだったから少しの貯蓄から始めた。チャンスをつかむためにまず自ら行動することが大事なのだ。今では昔と違って小額から始められる投資環境があるのだからやろうと思えばいつだってできるはずなのだ。
だがリスクにばかりに目が行く人が言うことはできない理由や言い訳ばかりだ。挙句の果てに「投資資金をよこせ」とまで言う始末だ。
他人に促されて投資を始めるようではおそらくその投資は失敗する。そしてその失敗を他人のせいにするだろう。自分の意思ではなく他人に言われてしたことだからだ。
世間の反応からして「1億総株主」は残念ながら夢物語で終わる。
だが、チャンスを狙っている者からすればこれがむしろ好都合なのかもしれない。