投資狂日記

自由を追求するブログ

銘柄選別の視点

個別株投資においてどの銘柄を選ぶか、その根本原則に変化はないものの何に重点を置くかはその時々で変化する。

 

かつては成長性を最重視して配当については全く無視していたこともあったし、逆に配当を重視するような時期もあった。また、業種や業態に偏りがあることもあった。

 

ちょうど今、会社四季報を読み込んでいて監視銘柄の見直しをしている。

こうした見直しを定期的にしていると、銘柄選択の基準も次第に洗練されてくる。過去に選んでいた銘柄も現在なら選ばないようになっていることもある。それはその企業の成長が止まってしまったというような企業側の理由もあるし、自分の選択眼の精度が昔とは違っているということもある。積み上げた失敗の経験も影響しているのだろう。

 

では、今は何に重点を置いているのか。

長期的な視点に立つことには変わりない。10年後はどうなっているかを考える。そして日本は少子高齢化・人口減少という問題を抱えているので、それが企業にどんな影響をもたらすかを考えている。

 

人口減少が続けば需要が減るのだから、日本国内だけで事業をしていてはジリ貧になる可能性がある。だから海外へ進出可能な事業かどうか、海外へ拡張できるかどうかを意識するようになっている。一方、狭い範囲での需要しか見込めないような事業をしている企業には厳しい目を向けている。特に最近IPOした企業にはそういうタイプが多い気がしていて、10年後も存続しうるのだろうかと思ってしまう。

 

現在、DXでシステム関連やIT関連の企業が注目されているが、あくまで日本国内でのことでしかなく、10年後は淘汰されて多くは生き残っていないかもしれない。

高齢化ということで介護業界は有望にも思えるが、介護を担う人材の不足に直面する可能性がある。外国人労働者の受け入れやロボットが活躍する未来が実現するかもしれないが、それを予想するにはリスクが大きすぎるような気がする。

 

逆に、内需系と思われていた業種でも海外進出を意識している企業には注目しておきたい。

海外に目が向いているとなるとやはり製造業に目が行く。現在でも海外シェアが高い企業はあるし、しかもそういう企業は収益力も高い傾向にある。

 

そして最も注目しているのは半導体関連だ。「経済安全保障」という言葉が広まったが、これは半導体がカギを握っている。台湾をめぐる米中対立の背景に半導体があるのは明らかだ。最先端の半導体を手に入れることが軍事力に影響を与えるのでアメリカも中国も躍起になる。半導体は石油に代わる戦略資源といっていい。

その半導体を作れる企業はごく少数でしかないが、材料や製造で必要となる薬品など関連企業の裾野は広い。日本企業で半導体に何らかのかかわりがある事業をしているなら、調べてみる価値はあるのではないかと思っている。