先週発売された会社四季報夏号を読み込んでいる。
読んでいて面白いと思うのは、以前には気付かなかった銘柄に目が留まることだ。毎回新たな発見がある。
私が探す銘柄の基準はほとんど変わっていない。
利益がしっかり成長軌道にあること、ROEやROAなどの利益率が高いこと、財務内容が良好であることだ。
ただ、何をより重視するかはその時々によって変わる。ここ数年は成長性の高さに重点を置いていた。だが今年になって成長株が売られてしまっており、株価は厳しい状態になっている。
ではバリュー株に注目するのかというとそうでもない。むしろ株価が下がった成長株の魅力が増しているといえる。
ただ、成長株であっても成長性の高さではなく別の視点を付け加えている。
それは配当金だ。
配当金といっても配当利回りが高い銘柄を選ぶというのではない。配当利回りや配当性向ではなくて、増配傾向であるか否かに着目している。
ファイナンス理論からすると成長企業は利益を配当するのではなく事業に再投資したほうが株価の上昇につながるとされている。
たしかにそうなのだが、実際は事業に投下した資金が必ず成長につながるとは限らない。成長のために無配にしている会社が思ったように成長していない例はたくさんある。無配は成長のためということが経営者の言い訳ともなりうる。だからこそ利益の一部を配当として株主に還元し、利益の成長とともに増配していくことが望ましいと考えている。
増配傾向というと連続増配している企業を思い浮かべるが、連続増配していることが重要なのではない。あくまで利益が成長していて、それに応じて配当も増えているというのが重要なのだ。連続増配企業でも過去の利益の蓄積から増配しているものの、利益成長が鈍化している企業もあるからだ。
会社四季報でピックアップした銘柄は、すぐに投資候補となるわけではない。これからさらに調べる対象としてピックアップしたに過ぎない。
その中かからとても魅力的な銘柄が見つかるか楽しみだ。